読書記録

読書日記など。アウトプット初心者です。支離滅裂でしょうがとにかく書き殴ります。

予想どおりに不合理

2021、06、20

予想どおりに不合理

ダン・アリエリー

行動経済学の本。書き口が軽快で、読み物としても楽しめる。

いつも深く考えずにとっていた行動が、実は大きな力でコントロールされていたり、言われてみれば全く合理的なものでなかったり。例えば、締め切りギリギリまで動けないこと、ボランティアなら頑張れるのに、給与が発生すると途端にサボりたくなること、現金は盗まないが会社の物品はくすねること、無料と言われると試して見たくなること、なぜそうなるかを知ることで、予防することが出来るし、騙されることもない、そして、自分が騙す側に回ることも出来る。そんな本。

自分の生活ではどう応用できる?例えば、他の例は?など、実験とその結果で終わらずにわかりやすく噛み砕いてくれる本。

 

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまう、という心理。例えば、スタバは高い、と思いながらも美味しくコーヒーを飲んだ場合、これは私にとっていい決断に違いないと思って次からは何も考えずにスタバを飲み続けてしまう、ということ。

よく考えれば、もう少し安いカフェに行ってもいいし、職場の無料のコーヒーを飲んでもいいのに。過去に同じことを何度も経験してきたのだから、これこそ正しいお金の使い道だと思ってしまう。

では、スタバ以前のコーヒー体験はどこにいったのだろう?それはスタバがうまかった。高級路線を打ち出し、内装も徹底的にこだわり他のカフェと差別化することで、「新たな体験」になり、高いと思っていても挑戦しやすいようにしていたのだ。

ではどうすればいいか?何をするにしても、自分が繰り返ししている行動に疑問を持つよう訓練すること。スマホをいつも最新機種にすべきか、毎回スタバを買うべきか?どれだけの満足が得られるのか、その差額を他のことに充てたほうがいいのではないか?と考える癖をつける。

 

・先延ばしの問題と自制心

締め切りものなどに関しては、決意表明をして自ら締め切りを決めること。そして、自分の好きなものと、嫌いだけど自分にとって良いものと組み合わせることで、欲望と成果を結びつける。例えば、自分の好きなカフェで勉強する、早起きして美味しい朝ごはんを食べるなど。

 

・扉を開けておく

私たちは、すべての選択肢を残しておくことに必死になる。パソコンの有償保証サービスに加入したり、子供の習い事をたくさんさせたり。でもその選択をすることで、犠牲になっていることがあることを忘れちゃいけない。必要以上に高性能のコンピューターを買ってお金を無駄にしたり、子供と自分との時間や、一つのことに本当に秀でる機会を失っている。

→幾つかの扉を意図的に閉めること。

また、選択肢のなかで悩んでいるとき、決断しない事による影響まで考えるべき。考え悩む時間にできたことはたくさんある。

 

扉を開けておくことに関しては、決断力、判断力を身につけたい私にとって耳が痛い。買おうかずっと悩んでいたものをいざ購入してみると、なんでもっと早く手に入れなかったんだと思うことが多い。(衝動買いして後悔することも多いから悩ましいところだけど、でもその場合は、さっさと売るなり何なりすれば時間は節約できるのかな)

ダラダラと悩んで気分が晴れないまま決断を先延ばしにしていることもたくさんある。感情を挟むと厄介だよなぁ。小さなタスクはそれでいいけどさ。大きな決断を数年間寝かしている私。。決断しないこと、腹を括らないことで起きるリスクをもっと重要視しないといけないな。まさにずべての扉を開けておきたい衝動に駆られている。予想

スマホ脳

スマホ脳 アンデシュ・ハンセン

鬱の患者や不眠に悩んでいる人がどれだけ増えたのか、その原因はスマホにあるんじゃないか。これほど物質的に恵まれているのに、不安を感じるのはなぜか、今までになく他人と接続しているのに、なぜ孤独を感じるのか。

要は、今この環境と、人間の進化の結果があっていないということ。車や電気、スマホがあるのは今や当たり前だけど、今のこの社会は、人間の歴史のほんの一瞬にしか過ぎない。人間はまだ、狩猟と採集をしている体のままなのだ。脳はこの一万年進化していない。私たちの脳は、まだサバンナで暮らしている。

だから、私たちはいつライオンや人間に襲われても生き延びられるために、あたりを見渡すため注意散漫で危険に敏感だし、睡眠や運動、お互いへの強い欲求が必要だという。こうした欲求を無視し続けていると、精神状態が悪くなる。

スマホは私のそんな注意散漫な脳をハッキングしてSNSに釘付けにさせるし、そのせいで実際に人に会うことが少なくなったり一日中スマホを見ていて運動不足や睡眠不足になる若者は鬱や不眠症に悩んでいるという。そしてスマホが手放せないことで記憶力、集中力、共感力も低下している。

・なぜスマホ依存になるのか?→脳は新しいものが好きだから。周囲の環境を理解すればするほど、生き延びられる可能性が高まる。新しいことを学ぶとドーパミン(何に集中するかを決める役割)を放出するイコール報酬をもらえる。パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出する。

プラス、報酬システムを作動させるのは、それに対する期待である。かも知れない、が大好きなのだ。なぜかというと、報酬を得られるかどうかわからなくても、食料を探し続けられように。そのため、いいねがついたかも、何か大事な投稿があるかも、という欲求で私たちはSNSにログインし続ける。そしてSNS各社はその報酬(通知)を巧みに操っている。

 

・報酬を我慢出来なくなる。

将来もっと大きなご褒美をもらえるために、すぐにもらえるご褒美を我慢するのは非常に重要な能力で、それができるか出来ないかでその子の人生がどうなるのか大体わかるという。そして、スマホをよく使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手だという。報酬を先延ばしにできなければ、上達に時間がかかるようなことを学べなくなる。

スマホは視界に入っているだけでも(いくらテーブルに伏せておいていても)、それを見たい欲求を我慢することに脳が使われてしまい、集中力や記憶力が弱くなる。それほどドーパミンを与えてくれる存在は強烈なのだ。

・知能を上げストレスを予防するためには?運動だ。それはなぜか?体のコンディションが良ければ、慌てて逃げ類しても攻撃に出るにしても、その場を切り抜けられる確率が上がるから。だから、危険に敏感になる必要がなくなる。どんな運動でもよし、できれば心拍数が上がればベターだけど。45分の運動を週に3回、それを半年続けると効果が出る。

・健やかに元気に生きよう。睡眠を優先し、体をよく動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分を晒し、スマホの使用を制限すること。最長2時間。

 

あー、スッキリ。メカニズムが分かって良かった。怖いのは、視界に入っていても、同じ部屋に置いていても、というやつ。スマホSNSに時間を取られていることにもっと危機感を持たなければならない。とても便利な機械だけど、私たちがスマホに操られるのではなくて、私たちが主導権を握りうまく活用していかなければ。SNSだって、無料であのプラットフォームが利用できる、と喜んでいたらだめ。あれは私たちの注意を広告会社に売るためにある基盤。

私はとことん依存しやすく適度な付き合いというものが何にないしても出来ない性格なので、耳が痛い内容だった。自分の人生を自分でコントロールしたいし、他人の人生を眺めてそれと比較して落ち込む時間がもったいない。がんばれ、私。

完全版社会人大学人見知り大学卒業見込み

若林正恭

★★★

ものすごいエネルギーのある本。とにかくもがき、苦しみ、自分と向き合う。考え、答えを導き出す。観察力、分析力がものすごい。ま、いっか。で終わらせることなく、違和感についてとにかく考え抜く、哲学者。そして圧倒的な文章力。引き込まれる。内面の変化をここまで一冊に記録されている本は中々ない気がする。

一見くだらないと思えるような悩みや疑問でも目の付け所がすごいなと思うし、共感できる深い悩みもたくさん。そしてもがいた末に導き出された答えがどこか安心出来て清々しい。自分に自信がなかった著者、でもそれを否定することなく、これでいいんだ。と受け入れる。読み手は自分も肯定される。とにかく素晴らしい作品だけど、今の私に大事なことを3つだけ。

・”仕事はジェットコースターのようなもの。それを聞いてから仕事に対して緊張したり憂鬱になったりするに負い目を感じなくなった。その感情はのちの充実感や高揚感の予告信号のようなものだから。”

はい、仕事の前の憂鬱な時間が大嫌いでした。新しいことを始めるときもそう、あんなに楽しみにしていたのに,こんな感情になるってことは自分は碌でもないやつだ、向いていないんじゃないか、と思っていた。

同じような言葉で、”今、操作を覚えている最中なのか操作を覚えたあとなのか把握できていればそんなに悩むこともなかったのにな”という一節もあった。

操作を覚えるまで、そして誰しも仕事の前はネガティブな気持ちになるもの。そこでこの仕事は向いていないと判断するのはもったいない。本当に辛いのか、それはジェットコースターやお化け屋敷の前のような一時的な気持ちの高揚なのか見極めなくてはいけない。一時的なものだとわかったら、毎日それに翻弄されることはなくなるかも、あー、いつものやつだ!と余裕が持てる。

 

・”性格は変えられない。コントロールすればいい。心は荒れているかも知れないけど、俯瞰的にその状況を見ると、ただソファに座っているだけなんですよね。だから大丈夫なんですよ。何も、起きていないんですよ。”

これは本当その通り。ネガティブになる時って一人でいる時で、たいてい夜中とか、暇なとき。何も、起きていない。そんなときは、何かに没頭したりして気を逸らす。何千回と繰り返していけば、それが癖になってうまく付き合えるようになるそう。

起きていないことや過去のことを考えても仕方ないからね。こんな自分をダメだと思わず、うまく付き合っていけばいい。それだけ。あたたかい言葉だなぁ。こうしてうまく切り替えて行けたらいいな。私だったら切り替えは何だろう?掃除、断捨離、小説の世界に入る、狩野英孝YouTubeを見て笑う。美術館に行く。かなぁ。

 

・”小学校6年生の頃、勉強する理由を、困難やアイディアを出すときに考える力とパターンを養うため、幸せになるために考える力を養うためと説明を受けていたら本当にその道に進んでいたかも知れない”

私は勉強を全然してこなかった。テストの成績は良かったけど、それはテスト対策をただして丸暗記をしたから。だから今も私は自分の頭で考えることが下手だ。地頭が良くない。

勉強の目的を、こんな風に捉えられていたらな、と思う。今からでも遅くないか。    

岩田さん

岩田さん

岩田聡はこんなことを話していた。

 

★★★

 

任天堂元取締役社長の岩田さんの言葉を集めた本。

おしゃれ、読みやすい、あたたかい。

 

・優先順位をつけて、何をやるかより何を捨てるか、何をやらないのかを決める。

制約はクリエイティブの母。

→これは物事の本質を捉えて、一番大切なことは何か?を考え

それ以外は潔く捨て、諦め、一番大事なことに集中するということでは。

仕事以外にも勉強、私生活の人間関係や家庭でも応用できる。

やりたいこと、出来ることよりも、何をやらないのか。を考え、潔く切り捨て、その上で選んだことに100%集中する。

 

あーこれが自分のウィークポイントだったなと。

私はずっと、やるべきことの優先順位は考えるようにしていたけど、その範囲が広すぎた。

全てをやらねばと完璧主義になってしまって、出来ていないことに気がとられて常に不安だった。全てを出来ない自分はダメだと思って、自信がなかった。

 

そして、制約はクリエイティブの母。という言葉。

仕事のときはもちろん、何にでも応用出来る素敵なマインドだと思った。

全て完璧に揃った人生の人の方が多いだろう。

そこで端から諦めたり人を羨ましがるのではなく、制約があるからこそ楽しめることってあるんだろうな。

 

 

・「仕事が面白いかどうか」というのは、「自分が何を楽しめるか」という枠の広さによってすごく左右されると思うんです、面白さを見つけることの面白さに目覚めると、ほとんど何でも面白い。

 

何ごとも楽しみましょう、なんて言われると、そんなことわかってるけど出来ないんだよ。と思う。

でも、面白さを見つけることの面白さに目覚めるとほとんど何でも面白い、という言葉は、好き。

ゲームみたいに楽しめるかも。だって、全部を楽しみましょう、とは言っていないから。

小さなことでもいいから、面白さを見つける。ないはずないんだ。それもクリエイティブなんだ。

いわば宝探しのようなものだ。

 

 

・自分の頭で考えること。

世の中の流れや事実を見たら、なぜそうなってんるんだろう?なんでこの人はこういう発言をするんだろう?と仮説を立てて検証するらしい。

多面的に角度を変えて、考える癖をつける。

そうすることで、思考力、判断力が身に付くし、違った味方でものを見れるようになる。

これは私が磨きたいところで、やっぱり大切なんだと。

 

自分の頭で考え判断出来る様にならねば危険であると、このコロナ禍ですごく実感したな。

デマやワイドショーに踊らされたり、私たち若者(でももうないかも)は政治から遠ざかるように誘導されていて。

それに会社に依存していると、コロナ禍での経営状況に一喜一憂するしかなくて下がっていく待遇に文句しか言えなくなる。

でも知識を身につけ自分の頭で考えられれば、この先の業界の未来がある程度予想出来てそのために今やるべきことを淡々と出来たり、転職するのかこの会社で上を目指すのか、自分の人生を自分で選べる。

本や情報、国の決定だって全て正しいわけではない。

なるほど、で終わって流されていた。本当にそうだろうか?自分だったらどうする?それはなぜ?と考えるのは、想像力、感性、判断能力が身に付く。